新築では標準になっている高効率タイプのガス給湯器『エコジョーズ』ですが、既築のガス給湯器を取替える場合はエコジョーズの設置を避けた方が良いケースがあります。
エコジョーズタイプは高効率というメリットもありますがデメリットもあります。従来型の給湯器からエコジョーズタイプに取替える時に注意が必要なのは、湯気の量と排水の処理方法です。
エコジョーズタイプは従来型のガス給湯器より熱効率が高いため排気温度が低く、従来型のガス給湯器より多くの湯気が出ます。
この湯気が酸性のため、特にアルミサッシなどの金属部分に付いてしまうと腐食してしまいます。
具体的な設置場所では隣地との隙間などに設置されているガス給湯器を取り替える場合はエコジョーズタイプを避けたほうが無難です。
あまり狭いところにエコジョーズタイプの給湯器を設置すると、最悪お隣の家のサッシが腐食してしまった場合に問題となってしまいます。
エコジョーズの発売初期はこの問題は表面化していませんでしたが、発売から10年以上経過した現在はこの問題はプロの業者の間では既知の問題です。
※エコジョーズの湯気は、寒い日や湿度が高い日は体感上『もくもく』といった感じで出ます。排気カバーもありますが、あまり狭いスペースに設置するのは避けたほうが無難です。
※エコジョーズタイプを設置する時は排水配管が必要になります。
隣地の物置小屋やサッシが腐食した例
▼隣地の鉄製の物置小屋が給湯器の排気で腐食した例。
▼隣地のアルミサッシが給湯器の排気で腐食した例。
白い点々の部分がアルミが腐食した箇所です。
エコジョーズの排水は処理のしかたも重要です
エコジョーズは給湯器本体から排水が出ます。この排水をコンクリートなどの上に垂れ流しにするとかなりの範囲に変色等の影響が出ます。この問題もプロの業者の間では常識です。
エコジョーズの排水は給湯器内で排気ガス中の水蒸気が結露した水(酸性)を給湯器内にある中和機(炭酸カルシウムなど)で中和したものです。時々(ワケのわからない業者の施工だと思うのですが)エコジョーズの排水を垂れ流しにしている施工を見かけます。
エコジョーズの排水は垂れ流しにすると後で問題になりますので注意が必要です。(エアコンから出る排水とは成分が違うため、取り扱いが異なります)
▼エコジョーズの排水が垂れ流し配管になっていた例(当社の施工じゃないですよ)
どうしても排水配管ができない場合はエコジョーズの設置を避けた方が無難です。特にマンションのベランダ設置でご自分のベランダに排水ピットがない場合にエコジョーズを設置すると、数年後にお隣の方からクレームがきます。(お隣のベランダの床が変色してしまうため)